子どもの言葉気になりませんか?
中学校の美術での対話型授業が取り上げられている新聞記事の中で、「すごい」という子どもたちの言葉を「色、形、雰囲気」で置き換えさせるということをされていました。
対話型の授業をされている先生も多いと思うのですが、子どもたちの言葉にこだわっていますか?
子どもたちの会話の中で、よく「すごい」「別に」「なんとなく」など曖昧なニュアンスでとらえるような言葉が使われていますよね。そのままにしておくと、相手に教えてあげたり、感想を述べたりするときに真意が伝わりにくいです。そこに意識させることで、詳しく伝えることができると思うのです。
*京都嵐山鵜飼
最近の子は語彙が少ないと言われますが、成長の途中の子どもたちにとって仕方ない面はあると思います。また、家庭で話される語彙数が子どもの使う語彙数になってきますから、会話が少ない、語彙数の少ない家庭では当然少なくなってきます。けれども自分の気持ちを伝える時、コミュニケーションを密にするとき、やはりある程度の語彙数が必要です。
それ例外での語彙数の少ない原因の一つが、その「すごい」「別に」「なんとなく」などの曖昧な言葉ではないかと思います。語彙の少ない子ほどこのような言葉を多く使っているように思います。はっきり言うとちょっと雰囲気を壊すから曖昧にしているならいいのですが、とても便利な言葉なので、子どもがこの言葉だけで済ませようとすると結局真意を伝えたい時にも伝わらなくなってしまいます。
授業中にはできるだけこのような言葉を具体的に他の言葉で表すように促すと、自分でも漠然としていたことが見えてくると思います。それは、それらの言葉を否定するのではなく、本当はこんなことだと気づかせてあげて語彙を増やすことになると思うのです。
「答えは○○です。なぜなら・・・・・。」
こんな風にいつも自分が考えた筋道が説明できれば、自分の考え方をより整理して次の考え方に進むことができ論理的な考え方ができてきます。
「なぜそう思ったの?」と聞いた時、「なんとなく。」という答えでOKにしてしまうと、いつまでたっても論理的な考え方は身に付きません。
語彙数を増やし、論理的な考え方を身につけるためにも、少なくとも授業中には、曖昧な言葉を使わないように指導しないといけないと思います。
私は、「答えを出すためには、必ずいろいろな事を考えるはずだから、それに気づくことが大事だよ。」とか「あてずっぽうでも何かの根拠はあるはずです。それが何かを探ってみよう。」と言っていました。
子どもは問い返すと何かひねり出してきます。そしてそれに慣れてくると授業では曖昧な言葉を使わなくなります。
みんなが自分の意見を持ち、それを伝え合うことができ、分かり合えたら楽しい授業になると思いますし、子どもたちの語彙力も着くと思います。