きぬさや自由帳

日々思うこと、旅日記、子育てのヒントなど

熊野三山旅日記7

那智の滝と飛瀧(ひろう)神社


那智の滝は高さ133mで滝つぼは100m
もあり、一段の滝としては日本一の高さを誇っています。飛瀧(ひろう)神社の鳥居をくぐってさらに結構急な石段を下りると小さな社殿があり、滝つぼに向かって鳥居があります。滝自体がご神体なので、滝口には大きなしめ縄が張ってあります。年末に張り替えられたばかりのしめ縄は白さが際立っているようで、そこから三本の滝が流れ落ちているのです。


飛瀧(ひろう)神社の鳥居から望む大迫力の滝と滝つぼ、水の流れに水しぶきが素晴らしい。でも、水量の多い時にはちょっと怖そうです。実際数年前の水害のときには滝を拝む鳥居の所まで、流れでえぐられてしまったそうで、雨の時には立ち入り禁止になるそうです。この日は天気が良かったので、青空と美しくコントラストを見せる滝が見られ、帰り道ではうっすらと虹も見えました。ラッキー!

お土産も兼ねて八咫烏のおみくじを買いました。おみくじは「吉」だったので木に結ばずそのまま持ち帰ることにしました。

ここの駐車場で語り部の橋口さんとはお別れだったのですが、橋口さんが歩いて大門坂駐車場に戻るということなので、ご一緒させてもらうことにしました。途中まで車の通る道を降りて、ショートカットの道を通って大門坂の途中に降りてきました。春になるとその道には蕨などが顔を出し、ガイドの帰り道に摘んで帰るのだそうです。

下りている時大門坂で、昔の装束に身をやつした人に出会いました。大門坂の入り口付近にある大門坂茶屋では、中世の熊野詣の衣装が借りられるのです。その人はその衣装で上まで行くみたいでした。歩くのは大変そうでしたが、この石畳になんてぴったりなのでしょう。平安時代にタイムスリップしたような錯覚をおぼえました。

橋口さんは熊野古道も案内されるのですが、この大門坂が残っているのは石畳を敷いてあるからだと言っておられました。熊野古道の中でも人が通らなくなると自然に道が消えて、今ではわからなくなった道も多いとか。世界遺産になり注目の熊野古道ですが、昔の人は京都から紀伊半島を縦断し、熊野本宮大社へ、速玉大社から那智の滝へと続く山の中の道を歩いてきたのだと思うと本当にすごいと思いました。

ところで、山の中にある那智の滝が海から見えるのを知っていますか?そうです海から見えるのです。神武天皇がこの滝を見出し、昔の船乗りは那智の滝を見てここが紀州沖であると分かったのだそうです。まるで灯台のように海を行く人の目印になっていたということで、青岸渡寺には普通のお寺には供えないはずのお魚が奉納されています。遠洋漁業関係の会社からのお供えだそうです。すぐそばまで来ていても山の陰に隠れると見えない滝が、海から見えるのは本当に不思議です。

たっぷり3時間もお世話になり、いろいろな事を教えてくださった橋口さんありがとうございました!

ネイチャーガイドもされている橋口さんに、次に向かう奇岩の情報も聞いて、古座川沿いの奇岩に向けて出発しました。

・・・つづく・・・