きぬさや自由帳

日々思うこと、旅日記、子育てのヒントなど

熊野三山旅日記3

熊野速玉大社へ


熊野速玉大社は朱塗りの社殿が美しい神社です。朱塗りの橋を渡ると大きな赤い鳥居があります。主神はイザナギノミコトとイザナミノミコトでそれ以外にも十柱の神々が祀られています。ここは本宮大社より少し狭い境内ですが、足利義満によって奉納されたご神宝類を中心にした古神宝を所蔵している神宝館があるのです。でも、残念ながらお正月バージョンだったので休館していました。ここでも御朱印をいただいたのですが、その時、元宮の神倉神社御朱印もあったのを不思議に思ったのです。普通その神社に行って授けてもらうのにどうしてここにあるのかな?と。この時は神倉神社には行かないつもりだったので、行っていないところの御朱印をいただくのもねえ・・・と思い速玉神社を出ました。

遠い昔には川沿いに熊野詣の人のためのお店が立ち並んでいたようで、水害に備えてお店はすぐに畳んで移動できるようになっていたそうです。駐車場のすぐ前に「河原家横丁」という二軒ほどのお店があるのですが、その前の説明に書かれていました。いろいろ考えながら自然災害と共存していた先人の知恵がしのばれます。

あとの二つの神社に比べると速玉大社は見るところが少なめだったのは、きっと神宝館を見ていないせいなのでしょう。

*(樹齢1000年以上のナギの大樹で旅の安全祈願、平和の象徴として尊ばれている)

速玉神社を出たのが、思いのほか早い時間だったのですが、那智の滝に行くには時間が足りない。そこで、来るときに道路に看板のあった、国の天然記念物「浮島の森」に行ってみることにしました。

「浮島の森」


新宮市内の住宅地の中にそれはありました。溝に囲まれた森のように見えるのですが、「新宮藺沢(いのそ)浮島植物群落」というのが正式名称で国指定天然記念物なのです!沼沢の中で、植物の遺体が多数集まって形成されていて、不思議な事に「泥炭」からできているので水に浮いているのだそうです。昔は風で流され位置が移動していたそうなのですが、周りの宅地化が進み沼沢が小さくなり水量が減ってしまい、沼沢というより周りに溝があるというくらいしか広さがないので、今は動かないみたいです。


百円払うとその島の中に入ることができました。周りの細い道を通って板張りの道を島の中へ。少しふわふわ不安定な足元の中を進んでいくと、10分ほどで森から出てしまいます。中には、「蛇(じゃ)のがま」という大蛇のいたと言われる底なし井戸もありました。温暖な地方なのに北方系の植物が茂り、中に亜熱帯系の植物も生育しているという不思議な生態系をもっているのだそうですが、植物に詳しくない身にとっては、薄暗い不気味な森の中を探検している感じです。ただ、大きなスーパーのすぐそばにこんな森が、しかも天然記念物の他に類を見ない生態系を持つ不思議な浮島があるなんてミラクルワールドです。見過ごしてしまいそうなところですが是非訪れてみてください。


そのままホテルへと思ったのですが、日暮れまでまだ少し時間がありそうなので、すぐ近くのはずの神倉神社にいくことにしました。

ここが、ここが、思いのほかすごいところでした!

・・・つづく・・・