不登校が増えていますが・・・
今、全国的に不登校の子どもたちが増えています。コロナの影響もあると言われていますが、それ以前も徐々に増えてきているという実感がありました。小学生中学生で不登校を経験した人は、大人になっても引きこもりになる率が高いとも言われています。けれど、教育とは、学校に行かなければできないものなのでしょうか。
戦前日本人の考え方は没個性、画一化していました。そんな中で学校での教育はまさに効率が良かったと思います。また、戦後でも高度経済成長以前は、もっとのんびりゆったりいろいろな事が許されていたので、子どもたちも先生も窮屈ではありませんでした。経済成長以降の教育施策は、学校からもゆとりをなくし、忙しい追い立てられる、他者といつも比べる場所になってしまっているように思います。個性尊重と言われているのに好き勝手なことはできない。不適応の子が増えるのは当たり前ではないかと思います。おまけに成果主義。学力テストの点で先生たちも評価されるわけですから、テストの点自体が大事になってしまいます。テストで測れる能力なんてしれているのに、そこだけが重要視される。なんとも窮屈な世の中です。
その中で不登校の子がいると教師としては登校するように働きかけざるをえない。本当はしんどいのがわかっていても来なくていいよとも言えない。保護者にゆとりがなければ、子どもだけ家にいても何もアプローチができないので保護者も困る。まさに八方ふさがりです。
たとえば、家でリモート授業を受けるのでも、家に子どもが1人でいて受けるでしょうか?
学校に行けない、行かない理由は子どもによって様々です。子どもに「幸せに生きるための教育」を施すのであれば、その子、その家庭に合ったを考える必要があります。ある子は別室登校が良いかもしれないし、民間のスクールが向いているかもしれません。案外田舎ののんびりしたところが合う子もいるでしょう。また、オンライン授業が合っている子もいるはずです。いろいろな選択肢があり、それをコーディネートしてくれる人が必要なのではないかと思います。
それぞれの子が「幸せに生きるための教育」が受けられるような取り組みを構築しないと今後さらに不登校は増えるでしょう。
とは言え、現場で働いている先生は今何ができるのか?文句を言ってもすぐに世の中のシステムが変わるわけではありません。できることは微々たるものかもしれませんが、子どもや保護者に寄り添うことと、目標を「学校に来る」だけに絞らず、「幸せに生きるための教育」がどうしたらできるか、保護者とその子も含めて考える事かもしれません。その寄り添いには時間と精神力が必要です。担任だけでしようとしないで、学校で取り組むことが一番大事です。すぐに解決する問題ではないので、焦らず投げ出さず対応してください。