きぬさや自由帳

日々思うこと、旅日記、子育てのヒントなど

ワールドカップに思う

遠い国の事なのに盛り上がりましたよね!でも・・・

サッカーのワールドカップが終わりました。数々の名勝負があり、日本の活躍に感動した人も多かったのではないでしょうか。

*宮島


でも、一部残念なこともありました。注目される大会であればあるほど、失敗したりした選手への誹謗中傷が多くなるということです。今回は比較的少なかったのかもしれませんが、それでも負けたら選手や監督への誹謗中傷がネットにあがる。書いている人はどんな気持ちで書くのでしょう?きっと感情に任せて腹立ちをぶつけているのでしょう。これって本当に想像力がないですよね。自分の立場に置き換えることができない。その人はしくじった時自分が一番落ち込むのをわかっていないのでしょうか。おまけに自分は何の努力も苦労もしていないのによく人の非難ができるなあと呆れてしまいます。

もちろん、家族や友達と意見を言い合うのはよくあることですし、例えそこで選手を責めても許されると思います。でも、公共の場に出すとなると話は全然違います。もしかして、ネットは自分たちだけのつぶやきだと思っているのでしょうか?

錦帯橋

ずいぶん前に日本がワールドカップに初めて出た時、出場が決まった時にはあれだけ喜んで選手を持ち上げていたのに、予選リーグを全敗で敗退した日本チームに空港で卵を投げつけた人がいました。一体何様のつもりなんだろうと腹立たしく思いました。自分は何の努力もせず見ているだけなのに何が言えると思っているのかと。

*二見浦


今回は、そんな誹謗中傷を否定するような投稿も多くて少し安心したのですが、多くのアスリートの努力を讃えつつその姿から力をもらいたい。そんな人が増えて、失敗を恐れずに誰もが安心して世界の舞台に出て行けるようになってほしいと願います。

世界で活躍するようなアスリートはそれでなくても期待という重圧を背負っているのだろうと思います。その上に期待に応えられなかったら誹謗中傷なんてひどすぎる。楽しく世界で活躍できる人が増えてほしい。負けたら命の保証もないような国もあると聞きますが、少なくとも日本は暖かく声援を送る国であってほしいと思うのですが!その姿を子どもたちも見ていると思います。

発達障害の子にも優しい学校に!

先日、文部科学省の調査結果で小中学校では児童生徒の約8.8%に発達障害の疑いがあると発表されました。担当されている先生方にとってはそれより多いのではと思われている方もいるのではないでしょうか。

実際ADHDの疑いのある子が二人以上いればクラスの維持が難しいと思います。また、軽いLDの子で、おとなしければサポートまで手が回らない。それが実情だと思います。子ども一人ひとりに目を向けた教育がしたくても時間も体力も限界があります。一人で無理をしても体を壊してしまっては何をしていることかわかりません。

*タイ プーケット

それについて政府に提言したいことが二つあります

まず、通常学級を多くても25人定員にしてほしい。

二番目に支援学級に在籍していても通常学級にも籍をおき、どちらでも教育が受けられるようにする事です。大阪ではそうなっていますが、他府県では支援学級に入級すれば、普通学級には行けないと聞きます。

大阪でも支援学級か通常学級のどちらかの籍しか認められないので、支援学級の児童がいる学年では国の定員以上のクラスができることがあります。例えば、ある学年の児童数が43人だとします。普通なら40人定員なので、21人と22人の二クラスになりますが、支援学級在籍の子が3人いれば、その子たちは実際にはクラスでも活動しているのですが、在籍とはカウントされないので、ぎりぎり40人のクラスとして、実質的には43人のクラスが出来上がります。これは、他の子どもたちにとっても非常に不利な状況です。実際に教室もギュウギュウ詰め。机間巡視も先生はカニさん歩きになってしまいます。


発達障害にはいろいろな子がいます。ほとんど通常学級で問題ないけれど、ある活動だけはサポートがいるという子が少なくないです。そんな子が支援学級に入級して他の子と隔離されてしまうのであれば、親も入級は望まないです。するとサポートも手薄になってしまいます。また、どの子も地域で生きていくのですから、同じ世代の子に理解してもらうのが一番です。

現在やっと段階的に35人学級が進められています。少子化が進み子どもを大切に思うなら、そして、子どもたち全員が自分らしい教育が受けられるようにするのであれば、少しでも早く一クラスの少人数化と支援学級と通常学級の風通しを良くして両方に籍が置けるようにしてほしいと思います。

また、発達障害については日々研究が進んでいます。それを現場の先生方が共有できるために研修の機会を取っておくこともとても大事だと思います。

 

発達障害について 2

発達障害についての続きです

脳の働きにも個性があり、たぶんみんな少しずつ違うのではないかと思います。得意なことも苦手なこともみんな違う。それを前提として考えないといけないのだと思います。

以前担任していた子のお母さんが、自分の子どもの頃のノートを持ってきて「私はこんなにきっちり書けての子は書けない。汚い時は全部消して書き直しさせています。」とおっしゃっていました。私は子どもが勉強嫌いになるのでやめてほしいとお願いした記憶があります。


自分と子どもは違います。できることも苦手なことも。自分ができても子どもにはできないこともありますし、その反対もあります。でも、案外自分の出来たことは子どももできると思っていませんか?できないことができるのを喜ぶ、褒めるのは良いのですが、できないことをとがめるのはNGです。

また、子どもが集団生活を始めるとわかってくる困りごともあります。

まず、親として自分の子どもが学習面やコミュニケーションで困っていないかということを見ておいてほしいのです。家にいる時にはわからないことも、集団の中に入って初めてわかることが多いです。ですから学校で困っていることがないのかを観察しておいてください。(無理に聞き出すのはNGですよ)

また、個人懇談会で先生からそのような指摘がないかも気にしてほしいです。とてもデリケートな問題なので直接「発達障害の疑いがあります」と言われることはまずないと思うのですが、学校から「子どもが困っていること」を指摘されたらよく相談してほしいのです。発達障害は治りませんがサポートしてあげることで二次被害(自己肯定感が下がる)を抑えられますし、他の能力を伸ばすこともできます。時には親の不理解でサポートがないまま小学校を過ごし、「自分はできない人間だ」と思ってしまう子もいるのです。


「障害」という言葉にすごく否定的に反応する人がいますが、人間には得意不得意がありますからそれの拡大版だと思ってほしいのです。すべてがその人の個性です。ただ、できないところがあればサポートしてもらう体制がとれることが大事です。親の理解がなければその体制を整えることが難しいのです。

もちろんどんな子でも基本的には担任が対応するのですが、クラスの人数分の1しかその子にかかわることが難しいのですから、やはり特別な配慮としては手薄になりやすいです。支援学級や通級学級の先生の手があればサポートは多くなります。


実際いろいろな記事にもあるように、教師の知識不足もありますが、まずは人数です。多くの目でいろいろな角度から見てあげられたら困っている子をひとりでも減らすことができます。

子どもが自分らしい教育を受けられるために、まずは子を正しく理解することが肝心だと思います。

子どもの発達障害 1

小中学校の通常学級に通う児童生徒の8.8%に発達障害の可能性

文部科学省が13日に発表した調査結果によると小中学校の通常学級に通う児童生徒の8.8%に発達障害の可能性があるそうです。このニュースはテレビでも新聞でも取り上げられていましたが、驚くことではないと思います。教師にとっては肌で感じていることです。実際にどの学級にも発達障害を疑われる子はいます。

発達障害の児童の割合が増えたのは、近年教師の理解が深まったからではないかと言われていますが、その通りだと思います。今から思うと発達障害であっただろうと思われる子は昔も同じ割合くらいいました。

アメリカにて

発達障害とは、生まれつきの脳の働き方に起因するといわれ、読み、書き、計算など特定の学習に困難が認められる「学習障害(LD)」、落ち着きがない、注意が持続しにくいといった「注意欠如・多動症ADHD)」、コミュニケーションで言葉や表情などを用いてやり取りしたり、相手の気持ちを読み取ったりすることがにがてな「自閉症スペクトラム症」などがあります。(朝日新聞より)

ただ、難しいのはどこからどこまでが発達障害なのか線引きされているわけではないところです。たいていの人はどこかしらにがてなところがあり発達障害に近い困りごとがある人もいるのですが、集団生活をする学校では、学習したり、人とコミュニケーションを取ったりすることが多いので、その面で困っていることがあればクローズアップされるのです。


では、もし我が子が「発達障害の疑いがある。」と思ったら受け入れられますか?

小学校1年生を担任すると「発達障害の疑いがある子」がわかりますが、親としてなかなか受け入れてもらえないことが多いのです。「うちの子に障害があるなんて。」なにか侮辱されているように感じる人もいます。ただ、教師としては「子どもが困っています」ということを伝えたいのです。そして、サポートはできるだけ早いほうが良いということなのです。子どもは自分と人を比べてできないところがあると否定的にとらえます。また、できないところを叱られていたら、すべてができないような気になります。大事なのはできないところを受け入れて、できるところを伸ばすことなのです。

そして、案外親からもできないことを責められていたりします。それが親にとってのイライラだったり。ますます子どもの気持ちは下がっていきますよね。自尊心の低い子になってしまいます。

集団生活を始めたら、子どもの様子をしっかり見てあげてくださいね。乱暴なのは気持ちが伝えられないからだったり、言葉の発達が遅れ気味だったり、子どもの努力とは関係なくできないのかもしれません。   

                   ・・・つづく・・・

「スポーツをやりたい。」と言われたら

大いに盛り上がった今回のサッカーのワールドカップ。にわかファンも含めて楽しんだ方も多いのではないでしょうか。このようなスポーツの大会があるとやはり子どもたちもその影響を受けます。日本人選手の活躍に刺激されてその競技をやり始める子も多いでしょう。いろいろなスポーツに興味を持つことはとてもいいことですし、そんな中から未来の名選手が出てくるのかもしれません。

ハウステンボスにて

子どもがスポーツクラブに入りたいと言ったらどうしますか?

もちろん金銭的にも時間的にも、なにも問題がないのであればさせてあげればいいのでしょうが、どこで習えるのか、時間的には通える範囲なのか、など結構ハードルが高いことも多いのではないでしょうか。中には親が送り迎えしなければいけないとか、遠方で通えないとか、お金がかかるとか。

今まで担任した子の中にもいろいろな子がいました。電車でサッカーや体操の練習に通っていた子や水泳の選手コースで朝から練習して学校に来ている子。体操クラブの子は小学生でも食事制限をしていました。また、わざわざ卓球の試合に出るために6年生の半年間だけ転校してきた子もいました。その子は中学からは全寮制の学校に行くと言っていました。


親としてはできるならサポートしてあげたいですし、思う通りにしてあげたいでしょうが、なかなかそうばかりも行かないこともあるでしょう。まずは本人の意思が一番大事なのではないかと思います。親が「させたい」ではなく本人が「したい」と思う気持ちが強ければ、どんなに困難でも続けることは可能だと思います。

けれども、始める時にはまずは手近なところで、できることをさせればいいのではないでしょうか。近くにお目当てのスポーツができるところがなければそれは仕方ないので、どうしたら近い将来できるのかを親子で考えればいいのです。中学校にはクラブがあるとか、中学校からは少し遠くても自分で通うとか。または、そのスポーツを将来したいなら今は他のスポーツで必要な能力を鍛えておくとか。やり方はいろいろあると思います。子どものやりたい気持ちを大事にしつつ、できる範囲で要望をかなえてあげることは大事な事ですので、知恵を絞ってみましょう。

でも、子どもがしたいと思うものがずっと続くかどうかは疑問です。ころころ変わる子もいるでしょう。どちらかというと、そんな子の方が多いです。子どもの習い事はスポーツでも引き時が肝心です。興味をなくしていたら即やめさせた方がいい。イヤイヤ続けるのはお金と時間の無駄です。折角お金も時間も使ってやるのであれば楽しく続けられるほうがいいですよね。ほとんどの習い事は将来に直接結びつくものではないということを知っておきましょう。

また、お金をかけるばかりではなく、「休日に家族で楽しむ」そんなスポーツでもいいのではないかと思います。公園でバトミントンや体育館で卓球、これからの季節にはアイススケートなんていうのも楽しいのではないでしょうか。

 

冬休みまであと一息!

もうすぐ冬休み!

あと10日で2学期が終わります。12月に入ってからは成績をつけたり提出書類を作ったりと忙しい日を送っていることでしょう。

*ハワイ島にて


教師の仕事はこのメリハリがあるから良いと思いませんか?一山超えると安息の日々が待っている!安息の日々があるからこの忙しい日々に耐えられる。他の仕事をしたことがない私が言うのもなんですが、一年に3回も区切りがあるって、長期休み(本当は休みではないけれど)があるって私にとっては40年続けられた理由の一つです。


夏休み、冬休みは実質的には夏季休暇や正月休み以外は勤務日ですが、子どもがいないとほっとします。春休みは、残念ながら次年度の用意で忙しい学校が多いのでは?教師生活の前半は3月末が一番長期に休みがとりやすかったのですが、いつの間にか春休みがずっと忙しくなったように思います。それでもまだ休みの取りやすい3月末に旅行に行っていましたが。

余談になりましたが、冬休みに入っても、教室の整理整頓や清掃・油引き、各種報告・提出書類の作成や次の学期に向けての教材研究や準備などやることはたくさんあっても、子どもがいない分自分のペースで仕事ができるので何となく気持ちは解放されますよね。そして、休暇を取ることができます!私の場合、現役時代頑張って長期休暇に休みを取っても、たいてい年休を全部消化することはできませんでした。他の仕事をしている方でも、もちろん全部年休を消化できている人の方が少ないのでしょうが、心身を休めるために「ねばならない仕事」を急いで済ませてお休みをとってリフレッシュしましょう。幸い冬休みは正月休みが6日間ありますからその間は仕事のことは忘れましょう!

この冬休みは行動制限のない久しぶりのお休みです。まだまだコロナが収まっているわけではないので、油断はできませんが、感染対策を十分とっていろいろな所を訪れてみてください。

教師にとっていろいろな場所を訪れたり、普段と違う経験をすることはすべて子どもたちに還元できることだと思います。特に、人生の経験は何物にも代えがたい武器になります。子どもたちに語る時、聞いたことや調べた事を知識として語るのと、経験したことを語るのでは重みが違います。自分の五感で感じて自分のものにした体験を何かの時に子どもたちに話してあげてほしいのです。子どもたちもそんな体験がしたいと思えるように。


そのためにも、冬休みの計画をあたためつつ、最後のひと山を越えてくださいね!

ゲームが悪い?

ゲームは子どもにとって悪いものなのでしょうか?

「ゲームは悪い。」実は私もそう思っていました。Apple社の故スティージョブズ氏も「コンピューターを自身が作っていた物でありながら、自分の子にはあまり触らせず、家族との時間を大切にしていた」というどこかの記事を読んだときに益々その感を強くしたのです。

でも、今デジタルコンテンツを使いこなせないと時代に遅れるという世の中になっています。

*別府オオオニバス


先日、テレビドラマ「アトムの童」で、「子どもにとってゲームは有害だ。」と主張する保護者が出てきた時、ふと考えさせられたのです。私自身そう思っていたし、今もちょっと思っているのかなと。でも本当に悪いのはゲームなの?

昨年まで教鞭をとっていて、今や授業の中でもゲーム的な教材はたくさんありますし、プログラミングなんてほぼゲームのようなものです。そう考えるとゲームは一概に悪いというのは違うのかな、また、ゲームによって善し悪しがあるというのも違うのかなと・・・。

*別府海地獄


そこで、思い出したのが漫画です。子どものころ漫画が広がり始めた時代で(いったいどんだけ古いの!)、少女漫画や少年漫画の本がどんどん出てきました。大人の多くは「漫画は良くない」と思っていたと思います。子どもが夢中になり、それしか読まなくなるからと。当時の私は禁止されるのが怖かったので、時間を区切ってしか読みませんでした。ちょっと背徳的な楽しみだったように思います。今では、漫画はアニメも含めて日本の文化と言われていて、大人でも読んでいるのが普通になっていますよね。もちろん私もいまだに大好きです。

もう一つ、若い頃担任した子がゲームセンターで補導された時のお母さんの「近くにショッピングセンターができたからこんなことになったのです。」という言葉を思い出しました。当時「ショッピングセンターのせいにするの?!」と衝撃をうけました。

*別府坊主地獄


ゲームも漫画もショッピングセンターもそれ自身が悪いわけではありません。いつでもどんなものでも使うのは人間なのです。どう使うかが問われているのです。どんなに魅力的な物でも、それに自分が飲まれてしまったらお終いです。自分をコントロールして、それを自分を生かす道具にできるかが問題なのです。そして、それらをコントロールするすべを身につけていくのも大事な教育の一つなのです。

本でもそうなのですが、悪書を排除するのでなく悪書がわかるようになって良書を選べることが大事なのです。そのためには良書ばかり読んでいても悪書は判りません。

どんなものでも同じなのだと思います。子どもにとって悪いものを取り除くという発想より、良いものを選び取れる能力、自分の欲望をコントロールできる能力を身につけるためには、いろいろな物に触れてみることが大事です。そして、我慢も教えていかないといけません。触れさせないのではなく、触れさせて時と場合によって我慢させるというのが教育なのだと思います。親が危ないからと「子どもの前から悪いものを除いてしまうこと」は長い目で見ると子どものためにならないのだと思います。