きぬさや自由帳

日々思うこと、旅日記、子育てのヒントなど

ゲームが悪い?

ゲームは子どもにとって悪いものなのでしょうか?

「ゲームは悪い。」実は私もそう思っていました。Apple社の故スティージョブズ氏も「コンピューターを自身が作っていた物でありながら、自分の子にはあまり触らせず、家族との時間を大切にしていた」というどこかの記事を読んだときに益々その感を強くしたのです。

でも、今デジタルコンテンツを使いこなせないと時代に遅れるという世の中になっています。

*別府オオオニバス


先日、テレビドラマ「アトムの童」で、「子どもにとってゲームは有害だ。」と主張する保護者が出てきた時、ふと考えさせられたのです。私自身そう思っていたし、今もちょっと思っているのかなと。でも本当に悪いのはゲームなの?

昨年まで教鞭をとっていて、今や授業の中でもゲーム的な教材はたくさんありますし、プログラミングなんてほぼゲームのようなものです。そう考えるとゲームは一概に悪いというのは違うのかな、また、ゲームによって善し悪しがあるというのも違うのかなと・・・。

*別府海地獄


そこで、思い出したのが漫画です。子どものころ漫画が広がり始めた時代で(いったいどんだけ古いの!)、少女漫画や少年漫画の本がどんどん出てきました。大人の多くは「漫画は良くない」と思っていたと思います。子どもが夢中になり、それしか読まなくなるからと。当時の私は禁止されるのが怖かったので、時間を区切ってしか読みませんでした。ちょっと背徳的な楽しみだったように思います。今では、漫画はアニメも含めて日本の文化と言われていて、大人でも読んでいるのが普通になっていますよね。もちろん私もいまだに大好きです。

もう一つ、若い頃担任した子がゲームセンターで補導された時のお母さんの「近くにショッピングセンターができたからこんなことになったのです。」という言葉を思い出しました。当時「ショッピングセンターのせいにするの?!」と衝撃をうけました。

*別府坊主地獄


ゲームも漫画もショッピングセンターもそれ自身が悪いわけではありません。いつでもどんなものでも使うのは人間なのです。どう使うかが問われているのです。どんなに魅力的な物でも、それに自分が飲まれてしまったらお終いです。自分をコントロールして、それを自分を生かす道具にできるかが問題なのです。そして、それらをコントロールするすべを身につけていくのも大事な教育の一つなのです。

本でもそうなのですが、悪書を排除するのでなく悪書がわかるようになって良書を選べることが大事なのです。そのためには良書ばかり読んでいても悪書は判りません。

どんなものでも同じなのだと思います。子どもにとって悪いものを取り除くという発想より、良いものを選び取れる能力、自分の欲望をコントロールできる能力を身につけるためには、いろいろな物に触れてみることが大事です。そして、我慢も教えていかないといけません。触れさせないのではなく、触れさせて時と場合によって我慢させるというのが教育なのだと思います。親が危ないからと「子どもの前から悪いものを除いてしまうこと」は長い目で見ると子どものためにならないのだと思います。