新聞記事から
朝日新聞くらしのページの「早期教育への疑問」という連載。後半3回が3月5日~7日に掲載されていました。
今回は発達心理学、教育経済学、臨床心理の先生のお話でした。
それぞれに早期教育へのデメリットをあげられていますが、中でも発達心理学の内田伸子先生の語学の早期教育についてのお話が衝撃的でした。
カナダトロント大学が日本からカナダに移住した子どもを調査した結果から分かったことです。
最も適応度が高かったのは、小学校3年間で日本語の読み書き能力を習得してから移り住んだ子どもたちで平均1年半で追いついたのに比べ、幼児期に移住した子が現地なみになるのには平均11年半もかかり、なかには小学校3年ごろで算数以外の授業についていけなくなる子も出てきたそうです。
そして、学業成績が一番高かったのは中学から行った子どもたちだったのです。
ここからも早期教育が外国語の習得に必ずしも良いとは言えないのがわかります。
実際、外国からの移住してきた子を見ても、二か国語使えるはずが、どっちつかずになって学力どころかどちらの言語も身に着かないということがよくあります。
母語をきちんと身につけるということがとても大事だということです。
母語の基本は家庭での言葉のキャッチボールだと思います。
つまり、一緒に絵本を読んだり、ボール遊びをしたり、料理したりして親子で楽しい経験を共有することが大事だということです。
過度な幼児教育に走るより、子どもの主体性を大事にして、焦らず、せかさず、「ほめる・励ます・(視野を)広げる」言葉がけをこころがけましょう。
ついつい先回りして回答を与えがちですが、自分で考え工夫し判断することがこれからの子どもたちにはますます大事になると思います。
子どものために一番大事なのは、大人が我慢することなのかもしれませんね。