きぬさや自由帳

日々思うこと、旅日記、子育てのヒントなど

勉強嫌いの子を作っていませんか?

小学校の先生でしてはいけないことは?

私は子どもを勉強嫌いにすることではないかと思います。

勉強が好きだと思っている子は少ないですよね。もちろん自分もそうですし、過去を振り返ってもそうでした。でも、嫌いか?となると「別に嫌いではない。遊ぶほうが好きだけど。」くらいの子が多いのではないでしょうか。そして、勉強はしなければならないとほとんどの子が思っています。

1年の時はたいていの子が「勉強好き」です。ではなぜ嫌いになったりしなくなったりするのでしょう?

家庭環境で勉強どころではない子もいますが、たいていの家庭では「自分はできない。」「自分は人より劣っている。」と思ったとき嫌いになることが多いと思います。

いろいろな教育改革がなされてきましたが、テストなどは記憶力を試すものがほとんどですし、語彙が少なければ考えを表現することもできません。つまり、記憶能力など一部の能力に優れた子が優位に立てるのです。

人間の能力には差があって、個人の能力の中でも結構差があります。たとえば私は全般的な記憶力は悪くないのですが単純記憶はとても苦手です。ストーリーは良く覚えられても漢字とか英単語は頭に入ってこないのです。同じ記憶力と言っても得意分野と不得意分野があるということに教師になってから気づきました。個人内の能力の差は案外自分も周りの人も気づかないことが多く、見える一部の能力を否定されてしまうとすべての能力が無いように思いがちです。

私は小学校の時、漢字が苦手でした。その頃はあまり残されるなんてこともなかったので苦手意識はありましたが、できないとは思っていなかったと思います。ただ、覚えていないと怒られて、残されてできないことを思い知らされたら・・・。勉強は嫌いになっていたと思います。

といってできていなくてもほっておく、残さない、ではますますできなくなる。難しいですよね!

ただ、いやいや残して成果は上がるでしょうか?一人ひとりの子どもには能力や家庭環境に違いがあります。どの能力を引き出してあげるのかを見極めてやっぱり褒めて伸ばすのが一番ではないかと思います。もちろんクラス全体のために宿題していない子をほったらかしていたらやる子までさぼってしまうということもあるでしょうからさじ加減は大事です。でも、残すことがその子のモチベーションにつながり成果につながるのかをいつも考えていかないとかえって勉強嫌いの自己肯定感の少ない子を作ってしまう危険性があるのです。おまけに他の子にもできない子と思われてしまいます。

良かれと思って子どもを残して自分もしんどくなって、かえって子どものためにもなっていなかったら・・・。

子どものやる気を引き出すのは本当に難しいです。でもそれを目指すのがやはり教育のプロかなとおもうのです。

*宮島 厳島神社の鳥居