子どもたちに好きな教科は?と聞くと一番人気は「体育」です。やはり、教室の中でじっと座っているより外で動くほうが好きな子が多いようです。
そして、好きと嫌いがはっきり分かれるのが算数。「できる・できない」がはっきり分かってしまうからでしょう。テストの点数が悪いと好きにはなりませんから。
現役時代、算数の苦手な子を見ていていくつか気付くことがありました。
まず、計算が出来なければ苦手意識を持つということ。足し算、引き算、掛け算、割り算。計算ができればある程度の点数は取れるのでそこまで苦手意識は持ちませんが、できないと小学校の場合はしんどいです。これに関してはある程度の反復練習が必要なのですが、やはり個人の能力にはいろいろな特徴があります。記憶力に優れた子はこの辺りは楽勝ですが、そうでない子は工夫が必要になってきます。まずは1年生の一桁の足し算と引き算、2年生の九九です。すんなり覚えられない子には、他の子より少し早くからスタートして、歌で自然に口に出るようにするなどはお勧めです。また、他の子と比べるのではなく、覚えられたら〇くらいの気持ちで見てあげることも大事です。
次に「文章問題」ですが、これはほぼ読み取りの問題です。書いてあることが頭の中で想像できるとほとんどの場合解くことができるので、文字に書いてあることを頭の中で思い描く練習が大事です。読み聞かせなどはとても有効な方法です。読み聞かせから読書好きになれば最高です。
もう一つの「図形」は、小さい時からいろいろな事を経験することで、ある程度身につけることができると思います。図形の問題はセンスが大事だと言われますが、物差しやコンパスが本当に苦手な子がいます。これなども、手先を使う作業をすることで鍛えられますし、積み木や折り紙、お絵かきなどの遊びで空間認識力もついてくるでしょう。案外遊びをしていないことからの経験不足から、図形のセンスが育っていないように思いました。
算数だけではないのですが、勉強らしくない生活の中の経験や、遊びを多く経験することで、いろいろな能力の卵が育まれます。早くから学校の教科につながることだけをさせるのではなく、多種多様な体や手先を使う遊びを小さい時から経験させることが、子どもの能力を育てることにつながるのだと思います。お家での一つ一つのお手伝い、言葉がけ、遊びが大事ですから、親も子も楽しみながらいろいろな事を経験していきましょう。また、これは幼稚園や保育園を選ぶ手掛かりにもなると思います。
ただ、子どもには能力にも好みにも差があります。こちらがさせたいと思っても乗ってこないこともあります。一番大事なのは楽しい経験です。無理強いは逆効果ですので、「楽しく遊ぶ」を大事にしてください。