新聞にいじめ関連の記事がでるといつも思ってしまいます。多くは、学校や教育委員会を批判する記事が多いのですが、本当に学校が悪いのだろうかと。どんなことでもそうですが、一部の報道だけでジャッジはできないと思うのですが、特にいじめの問題は難しいと思っているので、真相はどうなのだろうと気になります。
もちろん、学校や先生が起因で起こったいじめもあるでしょうし、対応が悪い場合もあるでしょう。中には責任逃れのための隠ぺいもあるかもしれません。でも、いじめの対処は本当に難しいし、いろいろな場合があるのも知っておいてほしいのです。
「いじめ」の今の定義では、本人が「嫌だ」と思うことをされたらいじめです。そして、実際に陰湿ないじめがあることも事実です。そこを否定するものではないのですが、「お互い様」な事をしているのに片方の子はいじめられたと言う。そんなこともあります。
私の経験から言うと、仲間外れでよくもめるグループでは、誰かがいつでも仲間外れになっていることが多いです。順番に仲間外れにしていくのですが、やはり外されやすい子とほとんど外す側の子がいます。外されてしゅんとしている子に他の子と遊んだらと助言しても、ほとんどの子がまたグループに戻っていました。よくもめていても居心地がいいようです。そんなグループの子は、自分も仲間外れにするのですが、されたらすごく傷つく。外す側になることが多い子ほど自分が外されたらショックを受けていました。ひどい時には学校を休むということもありました。私の担任した子はもめながらでも元気に卒業していきましたが、一つ間違えたら・・・。でも、こんな場合周りがいじめたと言えるでしょうか?
また、保護者の対応もさまざまです。たいていの子どもは、自分が同じことをしていても、それは言わないで、されたことだけを保護者には言います。あたかも自分だけが被害者のように・・・。他の子がその子から被害を受けていても、我慢していたら問題にはならず、保護者が言ってくる子どもの主張だけが取り上げられることになります。そこで両方見ている先生から「お宅のお子さんも・・・」と言っても残念ながら聞く耳を持たない方が多かったです。この場合はどうでしょう?
大きくなった娘が笑いながら話してくれたのですが、小学校の時あまり好きでなかった子に「あんたのこと嫌い。」と言われたのだそうです。娘は「わたしも嫌いやけど。」と言い返したら相手の子が泣いてしまいました。すると先生に「そんなこと言ったらダメ。」と娘が叱られたそうです。その時私は「あなたならわかると思って先生は言ったのだろう。」と言いましたが、へたをすると娘はいじめの加害者と思われていたかもしれません。「泣いたら悪くない」ということはないですよね。実際子どもの中には泣いて同情をかうような行動をとる子もいます。そして子どもの中でも「泣かした方は加害者」と見ていることが多いです。泣くほうが得なのでしょうか?
私は低学年を担任した時、よく子どもたちに「泣いてるから悪くないと決まっていないよ。喧嘩したら両方から話を聞かないといけない。」と言っていました。そうすると不思議とあまり泣かなくなるのです。
・・・つづく・・・