学級経営に悩んでいる先生方に
ロシアのウクライナ侵攻や中国の台湾問題、北朝鮮のミサイル発射など最近の国際情勢はきな臭いものを感じます。このような報道に触れていてふと、「世界情勢も学級経営もよく似ているな」と思いました。クラスに何人かいるやんちゃもの、いじめっ子にいじめられっ子。それぞれの子どもにはそれぞれの背景があり、今の行動や性格を形成しているのです。そこも世界情勢とよく似ています。だからといって、やっていることが許されるわけではないので、あの手この手で説得するのですが、生きてきた背景があり、もともと考える基盤が違うと納得させられない。そこで手が出てしまうのが教室では体罰、世界情勢では戦争なのでしょう。
*由布島にて
そう考えると、もちろん今の世界情勢も、そして、身近な学級運営もそう簡単に上手くはいかないものだということが分かります。
世界の情勢はより難題ですから、ここではおいておきますが、学級経営だってそう簡単にはいかないのは当たり前なのです。
まず、家庭での考え方が違いますから子どもたちの考え方の基盤も違います。その背景を少しでも知らないとなぜそのような行動をとっているのかがわからない。どの子も自分なりの正義によって行動しているはずですから、そこを知ってあげて他の子とのずれを教えてあげるのが教師の役割になると思います。
発達障害ということが広く知られるようになったのは良い事なのですが、教師にとっては子どもが発達障害であろうとなかろうと、対応は同じはずなのです。教師がいじめを作り出したという報道がありましたが、そこが間違っていたのだと思います。
「発達障害は早くわかったほうが良い」のは、周りの人(特に保護者)ができないことを責めることなく、その子の特性を生かした育て方ができた方が良いからで、診断結果によって教師がとる態度が変わるわけではありません。逆に診断がなくてもその子に合った対応をするのが教師で、あくまでも教師はすべての子どもの自尊心が育つような投げかけをしないといけないのです。
授業中うるさく質問をしてきても、流れにそっているのであれば良いし、流れに沿っていないことや、時間がない時であれば、「今は答えられないから休み時間においで」といえばいいのです。何も聞いていない、座っているだけの子よりもよほど勉強していると思うのですがどうでしょうか。
クラスには言葉が分からない子もいるかもしれません。家庭環境から語彙数が少ない子もいます。でも、「これどういうこと?」と一人の子が聞いてきたことは、少なくともその子だけでなくクラスの数人はわかっていないということです。時にはほぼ全員わかっていないこともあります。わかっていなくても質問しない子の方が多いのですから。うるさく質問してくる子を大事にしていかないといけないし、子どもの聞いているときの表情を読んでいかないと教師の独りよがりになってしまいます。
こちらが「大変だなあ」と思う子を大事にすることで、クラス全員を大事にすることにつながっていくのではないでしょうか。
学級経営は一筋縄ではいかなくて当たり前。悩んで進んでいく姿を子どもたちは見ています。