きぬさや自由帳

日々思うこと、旅日記、子育てのヒントなど

スポーツと子ども

スポーツ好きですか?

昨年は東京でオリンピックが開かれ、今年はサッカーのワールドカップが開催される年です。子どもたちの習い事の中にはスポーツクラブもたくさんあります。

今、小学生や中学生の大会のあり方が問われています。勝負にこだわり体に無理をさせたり、汚い言葉で相手チームを罵ったり。教育としてのスポーツにふさわしくないのではということです。

私はこの意見に大賛成です。小さいときから勝負にこだわりすぎるのは良くない。周りの大人が熱くなって子どもが置き去りになるのも良くないと思っています。

担任をしていて疑問に思ったことが何度もありました。

運動神経抜群でどんなスポーツをさせてもできるA君。野球チームに入ってピッチャーをしていました。でも、6年生の時肩を壊して体育も休みがち。小学校の時から肩を痛めるような練習をさせるの?と疑問に思いました。幸い彼は野球を続け、スポーツ推薦で野球の強豪校に進み、甲子園に出場できました。彼は治って野球を続けられたから良かったけれど、小学生のまだ出来上がっていない体に無理をさせるようなことはやめてほしいと思います。

また、体操を習っていたBさん、技を習得しやすいように小学生でも食事制限していました。なので、クラスで一番小さく軽い。組体操で上に乗ってくれた演技は素晴らしかったですが、体は本当に大丈夫だったのでしょうか?

同じく体操のC君も成長痛に悩まされていました。体が大きくなる時期、骨と筋肉の伸びる時期が違います。先に筋肉をつけてしまうと骨が伸びる時、成長痛がひどいようなのです。これは、スポーツを早くから本格的に始めている子によく見られます。

とてもやんちゃなクラスを持った時、クラスの男子の半分以上が同じサッカーのチームに入っていました。チーム内のもめ事や力関係がクラスに持ち込まれ争いが絶えませんでした。ある時サッカーを授業でしていると反則。注意すると「チームでは見えないように反則してでも競り勝てるようにコーチ言われている。」というのを聞いて、「オイオイ、プロの世界ではそうかもしれないが、小学生に教えるのにやめてほしい!」と思いました。

柔道の試合で日曜参観に毎年休んでいた子もいました。校内音楽会のために折角練習していたのに。

クラスの子が出ていた試合の応援に行ったら、お母さんたちが相手チームに野次を飛ばしていた。お茶当番のお母さんたちがもめて子どもをやめさせた。コーチのお父さん同士でもめている。などなどいろいろな問題を見たり聞いたりしてきました。

大事なのは、子どもが「楽しくスポーツに取り組む」「体も心ものびのび育つ」環境を作ることだと思います。英才教育が大事なスポーツもあるでしょうが、それこそ本人のことを先の先まで考えて支える人がいなければ成功していないのは、多くのスポーツ選手をみていればわかります。その一握りのスポーツ選手の何十倍、何百倍の選手が途中で辞めているのです。

小さい時だから余計に体の事、精神的なことをきちんとわかった指導者が必要だと思うのです。そして、大会で競わなくてもスポーツの楽しさはわかると思うのですが。

*一人で遊ぶイルカ(仙台うみの杜水族館)